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20130310_liverpool.jpg先日、公式サイトにてLiverpoolの収支報告がありました。
ちょっとそこに触れておきたいと思いますが、僕はこの道の専門家ではありませんし、スポーツビジネスの企業に一般企業の感覚は必ずしも当てはまらないと思います。そのあたりはご容赦頂きたいと思います。


まず期間は2011年8月1日~2012年5月31日までの10か月間。通常であれば1年間で区切るべきところですが、Ayre曰くフットボールシーズンに合わせたかったそうで、今後は5月決算となります。

結果的には負債が8,717万ポンドで前期比33%増という結果になりましたが、HicksとGillettが共同オーナーを務めていた2009年の47,250万ポンドという桁外れの数字からすれば何とも感じません。…と言うくらい感覚が麻痺しています(苦笑)まぁ前期は12か月、今期は10か月なので比べようもないところはあるのですが…。
ちなみに2009年の負債はHicksとGillettのLBO(Liverpoolの資産やキャッシュフローをレバレッジにした買収)によるものが大半です。
Henryオーナーはこれを消してくれたワケですからネ。感謝。
 

今回、損益計算書、貸借対照表の双方に目を通しましたが、まぁ一般の企業会計とは違って分かりにくいところが多いです(苦笑)
今回のマイナスで純資産は大幅に減少し525万ポンドとなりました。一般的には銀行は純資産を重視するはずでこの状況はあまり芳しくないのかなと思います。
この改善もあってWarrior社を初めとする多くのスポンサーとの契約などに躍起になったのかも知れませんネ。

また売上高の方は12か月で見た場合に前年比500万ポンド増加したそうですが、10か月の損益計算書で見ると約16,899万ポンド。
その中で目を引くのは入場料収入の増加ですが、これは国内大会での躍進が実を結んだと言うことでしょう。

しかし営業利益では3,512万ポンドのマイナス。これは選手補強等によるもののようですが、これはさすがに大盤振る舞いし過ぎたと言うところでしょう。
この年はヨーロッパの大会に出場しないことが決まっていた年でしたから、もっと財布の紐を締めても良さそうなところでしたがクラブはAdamや Downing、Hendersonなど大々的な補強を敢行。当時フットボールディレクターを務めていたComolliが主導したものではありますが、財政まで彼に任せていたワケでは無いでしょうから、オーナーをはじめとして財務担当を務めていたPhilip Nashたちの責任も大きいでしょう。見立てを間違ったのか…予期せぬ収益悪化があったのか…現場に押し切られたのか…。そのあたりは全く分かりませんが、純資産を525万ポンドまで擦り減らしてしまいかなり際どかったのではないかと思います。
昨夏、戦力補強が鈍かった理由がよく分かりました。

ところでNashは家庭の事情で今年の2月に辞任する云々の話がありましたがどうなったんでしょうネ?いまだ公式HPには彼の名前が残っていますが…。
(別に辞任を歓迎しているワケではないです)


この財務諸表を見て感じたのは、やはりここから上に上がって行くには売上の増加が必須なんだろうと言うこと。もちろん実際に中にいれば見えるものも違ってくるのでしょうが…。
まぁ補強によるマイナスは単年のもので次年度以降まで引きずるものではありませんが、現状のままでは今後の補強は余剰戦力のカットと合わせて行わざるを得ない…つまり飛躍的な戦力向上には繋がらないと言うことでしょう。

ここから脱却するにはファン層を拡大と新たなスポンサーを獲得によって商業的な成功を収める必要がありますし、入場料収入ももっと上げなければならないで しょう。そのためにはヨーロッパの大会に出場することはもちろんのこと、やはりスタジアムの拡大は避けられないのでしょうネ。

そのAnfieldの拡張については最近また進展が見えませんがどこまで進んでいるのでしょうネ?公にされていないだけなら良いのですが。
気掛かりなのはスタジアム再開発には資金調達が必須な状況でありながら、この経営成績で銀行が積極的に支援してくれるのかどうか…。

ひょっとしてLiverpoolはまた負のスパイラルに足を踏み込んでいるのかも知れない…。



Ayreのインタビュー。
==============================

─ なぜ財務結果を1年ではなく10ヶ月だけのものにしたのか教えてもらえますでしょうか?

この期間内に我々はフットボールのシーズンに会計年度を合わせたいと思い、最終的な決定を行いました。
以前の我々はシーズンが終了するとフットボールに関する全てが終わってしまっていました。ですが会計年度上は新シーズンが始まる前まで続いていたのです。 シーズンが終了した時点で全てのことが終わると言うのは最も理にかなっています。ですから我々は決算をそこに合わせ、年度末の数カ月を切り落としました。 それが今回10ヶ月だけにした理由です。



─ 売上高もしくは収益という部分から話を始めるとすれば、その額は前年より500万ポンド増加しました。その要因は何だったのでしょうか?またビジネスのどの部分において収益を上げることが出来ていたのでしょうか?

これらに関わる期間を考えてもらうと、我々はヨーロッパの大会に出場していませんでした。ですが2つの国内大会では素晴らしい成功を収めていたのです。それが収益の一部を構成してくれていましたし、加えて我々の商業パートナーシップに類する領域が大幅に増加しました。他にはメディア収入や入場料収入の貢献もありました。それら様々な領域から収益がもたらされたのです。ヨーロッパの大会に出場出来ず運に見放されていた年であっても、他の分野がしっかり機能すれば収益を上げることが出来ると確認出来たことは良かったですネ。



─ 独立系金融機関であるDeloitte社がヨーロッパのフットボールクラブの収益に対する年間順位表を作成しています。Liverpoolは他のトップクラブと比較してどの位置にいるのでしょうか?

順位は毎年変わりますが、最新の順位では我々は9位だったと思います。その中で興味深いのは上位10クラブの中で我々はChampions Leagueに出場しない唯一のクラブであるということです。これは我々の収益や売上高の大きさを他のチームと比較するにあたっての大きな指標となります。我々が向かっていると信じる方向について良い前兆となります。もしChampions League型のフットボールや収益を得る方向に向かっていれば、そこに辿り着く前に強靭な収益を手にすることは非常に重要なことです。それは我々がそのレベルに到達していない間も我々を支えてくれますからネ。将来のための良い前兆ですよ。



─ 結果的にFenway Sports Groupが期中にクラブに対して無利子で4,600万ポンドを注入することになりました。これにはどのような意図があり、またなぜ必要だったのでしょうか?

恐らく人々は我々が歴史的に長い年月を有していること、そしてスタジアム開発コスト…新スタジアムを建設するのかそれともAnfieldに残るのかという計 画に対してこれまで我々が投資して来た金額を有していることを覚えているでしょう。一般的見地では我々が既存の債務を弁済し、親会社から無利子の企業間融資を受けることで我々が作り出した費用で賄った方が良いだろうとなっています。これはオーナーがクラブに投資を行い、日常的に財務的な良い状況を作るという好例だと考えています。



─ なぜ負債合計が増加したのか、そして900万ポンドの例外的コストがなぜ発生したのかを説明してもらえますか?

負債は結果として、選手の移籍に関わる活動によって増大しました。ここ数年そういった活動を続け、チームを変え、チームに投資し、チームを成長させようと試みて来ました。それにはコストが掛かり、それが負債を生んだのです。また重要なのは、我々がそれを倹約したやり方で実行し、選手とクラブの双方にとって相応しい契約を結んだことです。クラブにとって持続可能な形を作り出すことを我々は望んでいましたから、慎重なアプローチを取ることが重要だったのです。 (例外的コストは)物事の組み合わせで生まれました。スタジアム計画に掛かる費用はその中に含まれていますし、上級管理職の変更やクラブを去った上級の社員に掛かる費用もありました。例外的コストはあらゆる分野における包括的な費用であり、この年に発生したもので将来に渡るものではありません。



─ クラブは3つの大手金融機関から再融資も受けました。これはクラブが前進するための財政的安定をもたらしたのでしょうか?

そうですネ。ここは重要な部分です。これらの融資は我々が検討していた取引のために実際に再実行されたものでした。これはオーナーが以前の借入残高を減らすために投資した部分に対するものです。我々が当初作り、再融資を受けた借入金額は12,000万ポンドでした。そのうち約4,000万ポンドは現存するス タジアムの負債にあて、残りの8,000万ポンド程度については、これは実際にはビジネスのための運転資金のようなものでした。フットボールクラブにおいてそれを必要とする理由ですが、シーズン終了時に移籍市場で選手を購入し、また他の大きな取引を行う必要があるかもしれないと言うことを想像してもらえれば、そして我々の真の収益がシーズンチケットを販売するまで、またスポンサーによる収益を得るまで手にすることが出来ないということをイメージしてもらえれば分かると思います。ですからそれはビジネスとして運用することを可能にする融資のようなものであり、我々が必要とするビジネスを実行出来る幅を与えて くれるのです。これによって3年に渡って金融的制約に追われなかったのは素晴らしい事でした。これはビジネスを行うにあたって重要なことであり、金融機関 と良好かつ強固な関係を築いたことでそれが可能となりました。



─ その期間中の選手補強の活動はどうでしたでしょうか?

その期間はJose Enriqueのような選手やSebastian Coatesや他の若い選手が関わっています。またSteven Gerrardと他の2人の選手と契約を更新した時期でもありました。重要なのは我々が育成選手をプロ契約に育て上げ、そして素晴らしい選手をアカデミーレベルからファーストチームに上げるのを最近になって目にして来ました。様々な分野への投資…新たな選手への投資や、キャプテンやそれに近い選手との契約 更新における投資、そしてそれに加えて若い選手に対しての更なる投資を我々は続けています。



─ これらの結果は今やすっかり過去のものとなりましたが、2012年5月以降のクラブを取り巻く話題について最新の情報を教えて頂けますか?

我々がチームに対して投資を続けていることをファンを含む誰もが目にしました。我々はこの期間で再び監督とコーチの変更を行い、Brendanと彼のチームが 夏にやって来ました。以来我々は夏と冬の移籍市場で再び新たな選手を加えました。また我々は商業上で生まれた財産が継続的に好転するのを見て来ました。 Warrior社は新たなキットサプライヤーとしてスタートし、それは以前の取引を大幅に改善してくれました。我々はこの1年を通じて彼らの製品の記録的売上を達成しました。また新たなスポンサー、特にChevroletやGaruda Airlinesと言ったスポンサーを加えました。これは我々が向かおうとしている場所の一部です。我々の限界を広げ続けてくれるのです。アジアから来て くれたGarudaはその好例であり、ワールドクラスの航空会社は新たな収益と新たな機会を我々にもたらしてくれています。また我々はデジタルプログラムにも投資をしました。そしてさらに最近では様々な国の言葉で発信するTwitterを始めました。それは我々が手を広げ、成長を持続するための準備をして いることを表しています。我々が成長し、さらなる成功を収め、我々の力となるこれらの要素を世界中に手を広げて取り入れることは最も重要なことですから、 それが国際的スポンサーであるとか、ソーシャルメディアを通じたファンとの国際的な繋がりであるとか…これら全てが我々の将来に向けて良い兆候となりますよ。彼らは非常に重要なツールであり、我々はそれに対する投資を継続します。彼らが我々の収益の源となる部分を向上させ続けてくれることを確認出来ると言うのは喜ばしいことですネ。

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無題
個人的には、11-12シーズンはCL出場権獲得がケニー監督の課せられた最優先任務だったのではないかと推測しています。それであそこまでの大型補強があったのではないかと。(今のスパーズも同じソレだと思っています。)
それが達成できなかった今季、大型選手の獲得は試みず、高額サラリーの選手を次々に移籍させ、更に新たなスポンサー契約を増やした収支結果がどこまで負債を減らしているのか(もしかして増えているのか)気になるところです。
レッズおばさん さん 2013/03/12(Tue)04:41:48 Edit
レッズおばさん
コメントありがとうございます。

大型補強を敢行した理由として、CL出場権獲得という大目標があったというのは勿論でしょうネ。
その前シーズンを終盤の猛追で6位で終えたことを思えば、内外を問わずそういう雰囲気になるでしょう。

ただCL出場権の獲得はその時点で決定していないわけで、その段階での大型補強はリスクでもあったはずです。
大抵のクラブはCL出場権を逃した年は緊縮財政を敷き、出場を決めている年にその大会に向けた準備としての投資を行っているのではないでしょうか?
Spursの補強収支はどのようになっているか分かりませんが、彼らもCL出場権を逃した2011-12シーズンはCrouch、Pavlyuchenko、Keaneなどを切ってParkerを取り、2012-13シーズンはModricを放出してDembeleやSigurdssonを獲得し、収支バランスを取っていたのではないでしょうか?

ちなみに今回この記事を書くに当たりSpursの収支報告(2011年6月期)にも目を通しましたが、彼らの純資産は8,130万ポンド、負債は5,680万ポンドでした。
その翌年はCL出場権を逃しましたが、Liverpoolのように大盤振る舞いをして出場権奪還を果たそうとしたのではなく、先ほど述べたような堅実な補強で4位を確保しました。残念ながら6位のChelseaがCLを制覇したため出場権は逃してしまいましたが…。gurdian紙によるとその後の2012年6月期決算を430万ポンドのロスで乗り切ったそうです。
そして今シーズンは再びCL出場権を手中に収めつつある…。


問題はLiverpoolが大幅な先行投資をしっかりと管理し、債務超過が迫って来る状況も把握していたのかと言うこと。
Comolliを早々に切ってしまったあたりを想像すると、それが十分で無かったのではないかとの疑念を抱いてしまいます。


2013年5月期決算はきっと負債を減らしてくれているでしょう。
この1年のスポンサー契約の見直しや新規獲得に対する動きは非常に熱心でしたし、補強に関してもけして大盤振る舞いはしませんでした。

名実ともにビッグクラブと呼ばれるに相応しいクラブに戻れるよう、経営陣には懸命な努力をしてもらいたいですネ。
[ from Rush : 2013/03/12 17:08 ]
無題
確かにアンフィールド改築計画はどの程度の進捗率なんでしょうね? 区画買収がどの程度進められ、資金融資が得られるかが鍵なんでしょうけどね。

財務知識がない自分としては詳しいことはわかりませんが、上手くない補強が自分達自信でクラブを苦しめているような気がしています。 価格が安く有望な選手(エヴァートンのミララスやスウォンジーのミチュ)か、ピンポイントの大型補強かどっちつがずだった印象がありますね。 そういう意味では今回のコウチーニョ、スターリッジの加入は評価が高いとは思います。

今シーズンにどの順位で終われるかわかりませんが、補強をするためにはレンタルに出しているキャロル、パチェコ、スピアリング辺りは売却して、その売却資金で補強を進められるかでしょうね。
移籍の噂は出始めていますが、どうなるんでしょうかね??

噂では本田なんて出ていましたので、ウォーリア社と本田の個人契約の上でフリートランスファーとなった彼とリヴァプールの契約なんてのもありえるんですかね? 香川のユニフォーム売上が4位らしいので、それを狙って獲得して、テレビ放映権も稼げればいいんでしょうね。

話が脱線してしまい、何が言いたいのかわからなくなってますが、レッズが安定した強さと経営基盤を築けることを望んでます!!
切腹フットボーラー さん 2013/03/12(Tue)08:26:27 Edit
切腹フットボーラーさん
コメントありがとうございます。

まぁ改修工事については逐次報告してもらわなくても良いんですけどネ(苦笑)
ただこういう収支報告を見せられると、今後の資金調達は大丈夫なの?と疑心暗鬼になってしまいますので…。

財務状況の良し悪しは、やはり補強の成否が大きく影響するようですネ。
ここのところ売るのも買うのも下手で、そのツケがジワジワと自分たちの首を絞めているように見えます。
またHodgson→Dalglish→Rodgersと浮き草のように流れた監督人事も影響は大きかったですよネ。それによって新しい監督好みの選手も連れて来ざるを得ないワケですしネ。
やはりチームについては一貫した強化方針を持たないとこういう結果になるのかなと…。Rodgersに長期に渡ってチームを託すことが出来るかどうか、そして彼がそれに応えるだけの資質の持ち主であるかどうかがカギでしょう。


来シーズンに向けた補強も選手の放出を睨みながら行なうことになるのではないかと思います。
West Hamへの移籍が堅いと見られていたCarrollも怪我の影響で反故にされそうな気もして来ましたし、他の選手で高値の付く選手は少ないでしょうネ。
それこそSkrtelなどの主力級を手放さなければならないのではないかと思います。この冬のような良い補強が出来れば良いのですが…。

ただ僕は古い人間だからかも知れませんが、商業的な目的で選手を獲得するのはどうも不純な気がして受け入れられないんですよネ(苦笑)
スポンサーが勧める選手なんぞまずロクなのがいないと思っていますので(笑)それに今のチーム状況にあって本田は少し来るのが遅かった気がします…。
[ from Rush : 2013/03/12 17:08 ]
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