メダルをオークションに

元Liverpool選手のTommy Smith氏が自らがLiverpoolで手にした栄光のメダルを全てオークションに懸ける決断をしたとのこと。
リーグタイトル…FA Cup…Uefa Cup…European Cup…「全て」だそうです。

氏は僕がLiverpoolを好きになる前にLiverpoolでディフェンダーとして活躍された方で、1960～70年代にLiverpoolに数多くのタイトルをもたらした人物。
キャプテンも務めた氏は、サポーターからは「Anfieldの鉄人」というニックネームをもらっていたそうです。
現役時代のプレーは知りませんが、Echoのコラムなどはよく読ませて頂き、当時のレジェンドたちが持つフットボール観に触れさせてもらっていました。

今回の決断は氏にとっても大きな決断だったと思います。
ファンとしてはメダルがお金に交換されること、誰かの手に渡ってしまうこと、そして1つ1つがバラバラに離れてしまうことは悲しい気もしますが、家族のことを第一に考えてこの決断を下されたことは素晴らしいことだと思います。


Tommy Smith氏のコメント。
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私は素晴らしいキャリアを過ごしました。ですが私にとってメダルやシャツよりも私の心に残る記憶の方が大切なのです。
私は年を取り、今の自分にはメダルよりもお金の方が役に立つのです。家族をまず第一に考えるという決心なのです。


長い時間考えて来ましたよ。
屋根裏部屋で全てのメダルを包んで、そして数年前に私はそれらの安全を守るために銀行に預けました。
メダルを家に飾り毎日眺めるようなことはありませんでした。

銀行に保管されていた約2年間、私がメダルを見ることはありませんでしたし、保管庫の中でどうしているかなと考えるだけでしたよ。
メダルは非常に価値がありますが、そこに保管しているだけではそれらから恩恵を受けられる者はいません。私や家族の助けとはならないのです。


あの全てのメダルを勝ち取ったことはとても素晴らしいことでした。私は素晴らしいキャリアを歩んで来ましたし、私がクラブのために全てを捧げていたことは誰もが知っています。

ですが私が手にした記憶はメダルやシャツ以上に大切なのです。


私は一銭も持っていないワケではありません。メダルを売らなければならないというワケではありませんよ。ですが私は年を取ってメダルよりもお金の方が役に立つのです。

私は最近、現役時代の影響で健康上の問題に苦しんでいます。2つの人工の膝、人工の腰、そして人工の肘を持っています。
きっとアイテムを購入した人はきっと幸せになり、私もそれによって得たお金で幸せになるでしょう。家族をまず第一に考えるという決心なのです。私はいつか家族にお金を残すことが出来るようにしたいのです。


私は1965年のFA Cupで優勝を収めました。
ロイヤルボックスへの階段を上ることをまるで子供のように夢見ました。

私の母がクラブと契約するためにAnfieldへ連れて行ってくれた時、彼はBill Shanklyに「Liverpoolはカップを勝ったことが無いけれど私の息子がチームに入ればそれが出来るでしょう」と話したのです。
決勝に勝利しWembleyのドレッシングルームに戻った後、Shanksが私に「お前のママはフットボールを本当に良く理解しているな！」と言いましたよ。

Liverpoolが1973年に初めてのヨーロッパタイトルを獲った時にキャプテンを務めたことも誇らしいことでした。
本当に大きなことでしたネ。

それから1977年のEuropean Cup決勝がありました。
人々はローマで私がゴールを決めたことについていつも話をしたがっていますよ。

この3つのタイトルは本当に私の身を立ててくれました。もし私がメダルのどれかを手元に残すとすればその3つになるでしょうが、私はその全てを手放すことにしたのです。
私の息子のDarrenと娘のJanetteと話をしました。私はまだたくさんの写真を持っています。4人の孫へのメダルも含めてネ。

メダル自身はどこか他の場所に行ってしまいますが、あの特別な日々の記憶は常に私の中にあります。それで十分ですよ。

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