vs FK Anzhi Makhachkala

もしこの世に「想定内の敗戦」という言葉が存在するのなら、この試合はまさにそう言うに相応しい試合だったのではないかと思いました。



今日は過密日程の中の遠征であることを考慮して若手を中心としたメンバーで望みました。
3-6-1のフォーメーションで望み、WBにDowningと故障明けのFlanagan、中盤の底にトップチームデビュー果たしたCordy、トップにはちょっとご無沙汰感のあるMorganが入りました。
恐らくは練習量が不足しているであろうこのメンバーに与えられたタスクはただ1つ。
「失点しないこと」

徹底されていたのは、ボールを失えばそれがどんな状況であれ両WBは最終ラインまで下がり、5バックを形成して守備を固めるということでした。どんな状況であれです(苦笑)
出場した選手たちは忠実に監督のリクエストに応えてくれましたネ。

まぁ個人的にはどちらか1人だけ下げて4バックに止め、中盤の厚みを残しておいて欲しかったところですが、タスクを遂行するためなら妥協を許さないという姿勢には好感を持ちました(皮肉)。

 

Anzhiは後半こそ繋いで来る場面が見られるようになりましたが、基本的にはTraoreを最前線に張らせてそこにボールを当てて行く戦略を持っていましたネ。
特に前半はその傾向が強かったように思いました。
Liverpool にとってそれはあまり怖くありませんでしたネ。ドリブルで仕掛けられたりショートパスを繋いで来られたりすればLiverpoolをもっと押し込むことが 出来ただろうと思いますが、そうしなかった(出来なかった？)ことでLiverpoolは助けられた印象があります。

それだけに失点の場面は勿体なかったですネ。
あの場面では何故か5バックのど真ん中、CoatesとCarragherの間に大きなスペースが出来ていました。それを見逃さなかったTraoreがそのスペースに走り込んでパスを受け、寄せて来たCoatesをワンタッチで交わし、Jonesが寄せて来たのを見てワンタッチでシュート。
Carragherがバランスを考えずにDowningのサイドに寄ってしまっていたことが問題でした。せっかくケチらず5人も並べていたのに(皮肉)、その一瞬のスキを突かれてしまいましたネ。



攻撃面に関してはなかなか良い形が作れませんでした。
まぁ急造チームでは仕方がないと言ったところですが、それでも全く何も出来ないというわけではありませんでした。
とは言えリザーブチームで一緒にやっていた選手が多かったので、連携面などはもっと良いものを見せてくれるんじゃないかと淡い期待もしてはいましたけれどネ(苦笑)

先発出場のColeも裏への飛び出しなど何度か良い反応を見せてくれました。その点は今後に期待したいところですが、こういうメンバーで臨んだ試合の時はもっと彼が中心となってボールを触ってチーム全体を押し上げてくれるような存在であって欲しいところです。Downingにも同じことが言えますが。
Rodgersからどういうプレーを要求されていたのかは分かりませんが、もっとCoadyやHendersonのパスを受けて前のMorganに繋いで行くような仕事をしてくれれば良かったなぁと感じました。



あとHendersonについて少し(再び)。
今回はCoadyの隣、終盤はCoadyの位置に入ってよくやってくれていたと思います。守備においては前の3人が流動的に動くことで生じる穴を埋めることを意識したプレーを心掛けてくれていましたし、Liverpoolがボールをポゼッションした時はパスを受けやすい位置に動いてくれていました。当たり前のことではありますが、それを当たり前にやってくれることでチームに安定感をもたらしてくれました。いろいろなところに顔を出してくれる選手で、彼がいなければこの試合はまた違った結果になったのではないかと思います。

ただ23分のシーンには落胆しました。
Morganにボールを預けたあと、ディフェンスの間をスルスルと走り抜けて完全に裏に抜け出した場面でしたが、そこでMorganから受けたボールをあろうことかもう一度Morganに返そうとして相手にカットされてしまいました。キーパーが眼前に迫っていてシュートは打てないと判断したのでしょうし、Morganが走り 抜けていれば「素晴らしい判断」と賞賛されるプレーとなったのでしょうが、結果的には「消極的な判断」と取られてしまいました。同じボールロストでも強引にでもシュートを狙って行って失った方が良かったと感じますネ。
他で良いプレーをしていても1つのミスが評価に大きく影響することもありますし、特に決定力に問題を抱えるチームにあっては、その場面でのミスはより大きく影響するだろうと思います。ああいう場面で得点出来る選手をチームは望んでいるハズです。



対戦相手のAnzhiもさほど良い印象はありませんでしたネ。ホームで飛車角金銀落ちのLiverpoolを迎えたんですから完勝を狙ってガッツリ来ても良かったと思うのですがどうもゆったりした印象で、彼らもLiverpoolと同じタスクを課せられて試合に臨んだのかと思わされるほどでした。彼らもHiddinkを監督に迎えたばかりで、もしかするとまだまだ戦術が浸透していないという面もあったのかも知れませんネ。

Liverpoolとしては今回の敗戦でグループ首位から陥落しましたが、今日のRodgersの守備重視の戦略から見ても引き分けで十分と言った感があり、負けても最少失点での負けであれば彼の想定内の結果と言えるのかも知れませんネ。


グループリーグのもう1試合ではYoung BoysがUdineseを下しました。どうもUdineseもシャキッとしていないようですネ。
実はこのグループで一番怖いのはYoung Boysだったりして(汗)

だんだんグループAはグダグダな低レベルな争いになっているような気もして来ましたが、主力を起用出来る状況にないLiverpoolにとっては有りがたい状況かも知れませんネ。次のYoung Boys戦に勝てばグループリーグ突破もだいぶ見えてくると思います。

若手に経験を積ませるためにも1つでも先に進んでもらいたいですネ。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
FK Anzhi Makhachkala 1 - 0 Liverpool
8 Nov 2012, 17:00 Europa League Group Stage(4)
-------------------------------------------------------------
Georgi Gabulov                     Brad Jones
Arseni Logashov                    Andre Wisdom
Christopher Samba                  Jamie Carragher
Pinto Joao Carlos                  Sebastian Coates
Pasim Tagirbekov                   John Flanagan
Odil Ahmedov                       Jordan Henderson
Silva Jucilei                      Conor Coady
Yuri Zhirkov                       Joe Cole
Samuel Eto'o                       Jonjo Shelvey
Mbark Boussoufa                    Stewart Downing
Lacina Traore                      Adam Morgan
--------------------------------------------------------------
SUBS:
Ali Gadzhibekov                    Oussama Assaidi
Kamil Agalarov                     Daniel Pacheco
Shamil Lakhiyalov                  Danny Wilson
Mehdi Carcela-Gonzalez             Suso
Fyodor Smolov                      Peter Gulacsi
Yevgeny Pomazan                    Stephen Sama
Nikita Burmistrov                  Jack Robinson
--------------------------------------------------------------
GOALS:
Traore(45+1)
--------------------------------------------------------------
SUBSTITUTIONS:
Carcela-Gonzalez(Ahmedov 29)       Pacheco(Morgan 61)
Smolov(Traore 80)                  Suso(Coady 61)
Lakhiyalov(Carcela-Gonzalez 90+2)  Assaidi(Suso 77)
--------------------------------------------------------------
REFEREE:
David Fernandez Borbalan
--------------------------------------------------------------
BOOKED:
                                   Flanagan(65)
                                   Shelvey(88)
--------------------------------------------------------------
SENTOFF:
--------------------------------------------------------------
VENUE:
Khazar Stadium
--------------------------------------------------------------
MANAGERS:
Guus Hiddink                       Brendan Rodgers