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20110620_Hodgson.jpg激動のシーズンを振り返るにあたってこれまで書いてきた記事を読み返してみましたが、シーズン序盤は負けていてもまだ楽観的なことが書いてありましたネ(苦笑)
そして誤字の多いこと多いこと…(誤訳には触れず 苦笑)
今シーズンもこんな「駄ブログ」にお付き合い下さった皆様には大変感謝しております。


昨年の今頃はシーズン総括として「Benitezフットボールの反省文(笑)」を書き上げようとしていたところ、本人が退任の憂き目に…。
いなくなった人物のことを書くのも憚られたためにお蔵入りが決定してしまいました。
ということで、2シーズンぶりのまとめとなりますネ。…チョット緊張(嘘)


ちなみに、ここから先には選手・監督のスタッフの名前を具体的に挙げて比較や評価を書いている部分もあります。
良いシーズンとは言えなかったワケですから全体的には重たいです(苦笑)
中には批判めいた表現に見える部分もありますが、これは個人を攻撃することを目的とはしていません。是非「チームとしてどうであったか」「来シーズンに向けてこのチームがどうあるべきか」という視点を持ってご覧頂けると幸いです。

僕の「駄ブログ」を日頃から読んで下さっている方であれば、僕が選手やスタッフ1人1人に対してどういう気持ちで接しているかをご理解頂けるものと考えています。

================================================================

■結果

まずは結果からですが、下記の通りとなりました。
---------------------------------------------------
 PL 6位     (17勝14敗7分 / 得点59 失点44)
 FA 3回戦敗退  ( 1敗 / 得点0 失点1)
 CC 3回戦敗退  ( 1敗 / 得点2 失点2)
 EL Round16敗退 ( 7勝1敗6分 / 得点16 失点5)
---------------------------------------------------
FAはDalglish就任初戦のUnited戦でさすがに厳しかった。
CCは先発のみならずベンチメンバーまで落としに落とした挙句、PK戦に持ち込まれて敗退してしまったNorthampton戦。
ELはグループリーグはまずまずだったもののトーナメントに入ってからはグダグダ状態に…。このころはチームがまともな精神状態では無かったかもネ。
そしてPLについては、14敗と言う数字はさすがに酷すぎ。特にアウェイでの弱さ(5勝11敗3分)は救いようのないものでした。


ちなみに今シーズン監督を務めたHodgson、Dalglishそれぞれの成績は以下の通り。
---------------------------------------
 Hodgson  7勝9敗4分/得点24 失点27
 Dalglish 10勝5敗3分/得点35 失点17
---------------------------------------
数字上はDalglishが上回る結果となりましたが、では「この数字の差ほどDalglishが素晴らしかったか」というとそれは僕には分かりません。
対戦相手や他の大会との兼ね合いもありますし、もしこのまま1シーズンHodgsonに任せていた場合、もしかすると彼も少しは数字を改善することが出来ていたかも知れませんからネ。
ですから単純に数字だけを追い掛けて「Dalglishは優秀」と言ってしまうのは間違いだと思います。

後でも触れますが、チームをイチから作ろうとしたHodgsonと、それをベースに独自のエッセンスを加えることでチームを向上させたDalglishでは、どちらが結果を出しやすかったのかという視点は持っていなければなりません。



■後任人事の遅れ

ところで、昨夏は4年に1度のWorld Cupが行われた年でした。
World Cupイヤーはクラブにとって調整の難しい年と言われますが、その大会を直前に控えた6月3日。それまで6年間に渡ってチームを指揮したBenitezを急遽解任。後任としてHodgsonの就任が決定したのはBenitez退任から約1か月後の7月1日でした。

ちなみにBenitezは6月8日にはアッサリ再就職(Inter)を決定させました。
それだけに後任人事に1か月も掛かってしまったことが目立ちます。恐らくBenitez解任はほとんど準備もないまま突発的に決定したのでしょうし、「見切り発車」的な印象が拭えませんでした。経営陣にはすぐに後任が見つかるという甘い考えがあったのかも知れませんネ。
この一連のフローは大きな間違いだったと思います。

そして通常のオフシーズンであれば選手たちにとって6月は完全休養、7月あたりからチーム合流となるのですが、World Cup出場メンバーが合流したのは7月下旬、決勝を戦ったReina、Torres、Kuytは開幕を2週間後に控えた8月頭にようやく…。ちなみにシーズン初戦は7月29日のRabotnicki戦でした。


この困難な時期にBenitezを解任しなければならなくなったことは仕方がないと思います。いまだその理由は分かりませんが…。
ただその決断からどこかに甘さ、緩さは無かったか?そう思えてなりません。

新監督の方針を浸透させ、チームを作り上げるための時間が不足しているのは明らかで、新生Liverpoolの舵を切るHodgsonにとっては、重たい錨を揚げられぬままの出航となったと言って良いように思います。



■Benitezスタイルからの大幅な変更

BenitezとHodgson。この2人には大きな違いがありました。
フォーメーション、ゾーンとマンマーク、ディフェンスの重心、ディフェンスからオフェンスの切り替え…何においてもそれぞれが全く異なる理論を持っているように感じましたネ。
特にBenitezは、選手のポジショニングについてインチ単位で自分の戦術の実行を要求する監督であったとも聞きます。それはオーバーな表現かも知れませんが、事細かに指示を出していたことはTorres達のそれまでの発言からも明らかでした。
こういう緻密なフットボールを目指し、それを実行出来る監督もなかなかおらず、それは彼の素晴らしさであったと思います。
ただ反面、彼にとって最後となったシーズンはその緻密さゆえに相手に研究され尽くしていた感がありましたし、いざHodgsonにチームを譲り渡すとなった時にそのガチガチに固められたBenitezフットボールが大きな足かせとなってしまったのではないかと思います。

全く異なる理論を持つ監督のもと、異なるフットボールにチャレンジしようとしていたLiverpoolですが、6年という時間の中でBenitezによって張り巡らされた根は非常に深く、そう簡単に断ち切れるものでもなかったのでしょう。


これはBenitezとHodgsonを否定するのではなく、何の継承性も感じられない監督人事をWorld Cupイヤーという特異な年に行ったということが問題。フロントの責任が問われるところですが、Hodgsonを選んだ人物はもういない…(汗)
僕はSammyが引継役として重要な存在となると考えていましたが、彼の力をもってしてもその問題をクリアすることは出来ませんでした。
というか僕はあの状況下で監督を任せるなら「これまでを知るSammyがベスト(*1)」と言っていたのですが、その思いは届かず(苦笑)
まぁ僕もHodgsonが就任した時は、守備ブロックの再構築を期待して喜んでいました。僕は契約期間の3年間の猶予(*2)を勝手に与えていましたが(苦笑)、10年以上もリーグタイトルから遠ざかってしまったチームに対して、サポーターは時間を与えてくれませんでしたネ。


ちなみに1月から就任したDalglishはどうであったか…。
実は彼は大幅な変更はせず、Hodgson体制で出来ていなかった部分を修正したに過ぎなかったのではないかと思います。
メンバーも大幅には変えず、フォーメーションもほとんど変えず(暫定的に3-6-1を使いましたが)、選手のメンタル面に気を配り、「パス&ムーブ」というキーワードを高らかに宣言して戦っただけだったように思いますが、それが結果的には良かったと思います。

Dalglishはいかにもケアテイカーマネージャーに相応しいアクションを心掛けていたと感じていますし、Hodgsonもあの特異な夏はDalglishのように振る舞うべきだったのかも知れないと今更ながら思います。

まぁHodgson自身、序盤はBenitezのチームを引き継いで不慣れな4-2-3-1で戦ってはいましたけどネ。ディフェンスラインが低くて、その特徴を上手く活かせていなかったように思いました。



20110620_Insua.jpg■チーム固めの遅れ

World Cup組の合流の遅れはある意味仕方のないものですが、前年の主力メンバーであったInsuaとMascheranoの両名の去就が最後まで揺れてしまったのは、その後のチーム作りに大きな影を落としたように感じます。

InsuaについてはFiorentinaへの移籍が合意に至らず、限られたプレシーズンマッチの中で最後まで彼を起用してしまっていました。
HodgsonにとってInsuaは全く好みの選手では無かったのか?であればどうしてプレシーズンマッチ最終戦のMonchengladbach戦で去就に揺れるInsuaを先発させたのか?当時(*3)も触れましたが、少しでもチーム固めを早めるためにはInsuaではなくAurelioを起用すべきだったと思います。
結局この試合を最後にInsuaは先発はおろかベンチ入りすることすらなく移籍してしまいました。

左SBというポジションは優秀な人材確保が難しいポジションで、ここの戦力強化に苦労しているクラブは多いです。
そういうポジションで前年レギュラーを張った選手を何の準備もなく切ってしまったのは問題。最終的にはが代役として加入しましたが、1年なり2年なり時間を掛けて徐々に切り替えるべきだったと思います。
結果的にHodgsonは大博打に打って出ることになりました。彼がこれを博打と言わないのであれば、8月31日の移籍期限ギリギリで入団することになるKoncheskyを過信しすぎていたということになります。


そしてもう1人のMascherano。
中盤のアンカー役として替えの利かない存在となっていた彼の引き留めに失敗したのは痛かったですネ。まぁ彼についてはその前年から移籍を希望していたとも言われていましたから、留めようもなかったのかも知れませんが…。
ただ7月下旬の時点で「移籍の意思あり」と理解(*4)していながら、彼を開幕戦に起用し次節のCity戦(8/23)あたりまで戦力として考えていたところは、チーム固めに大きな影響を及ぼしたと感じます。


チームにとって核となる選手をズルズルと引っ張り、代役すらまともに用意していないのは最悪。
これではスタートダッシュは出来ませんし、他の選手だって何の展望も感じられないチーム作りしか出来ないクラブに不信感を持っても仕方がないことだと思います。

資金面の問題ももちろんあって積極的に動けない事情もあったのでしょうが、そんな時だからこそしっかりと選手の取捨(失礼)を見極め、素早い行動を取ってもらいたかったですネ。


================================================================

vol.1はこれで終了。

振り返れば、かなりのリスクを抱えた状態でプレシーズンを過ごすことになってしまっていました。
当時の記事を見返してみると、ところどころそこを指摘しているような部分も見られましたが緩かったですネ。
まぁこのブログで厳しい指摘をしたところで、クラブに届かないのはこれまでが物語っているのですが(笑)

国内リーグ開幕前のFK Rabotnicki戦が課題を抱えながらも勝利を収め、KellyやColeなどの新戦力の活躍もあって、僕の認識が甘くなってしまっていた面はあるのかも知れませんネ。
FK Rabotnicki(*5)との2戦目の後の楽観ぶり…穴があったら入りたいどころか、その上から土を盛ってもらいたいくらいの気分です。Ngogも道連れに(爆)

まさかその後このチームが降格圏を争うまでに落ち込むとは…。

その辺りは次のvol.2でまとめたいと思います。


■関連記事 :
(*1) 1日でも早く新体制を
(*2) 3年間は待ちます
(*3) Insua先発出場の是非
(*4) 去る者は追わず
(*5) vs FK Rabotnicki
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無題
いつも楽しく拝見してます。
素晴らしい分析ですね。まさにプレシーズンはその通りだったかと。
サッカーはプレイヤーがやるものなのに、こんなにもフロント陣の実力がチームに作用するものなんだ。
と痛感したシーズンでした。
Vol.2楽しみにしてます。
名古屋のkop さん 2011/06/21(Tue)09:35:58 Edit
名古屋のkopさん
コメントありがとうございます。
そしていつもこの「駄ブログ」をご覧頂いているとのことで(笑)、重ねてお礼申し上げます。


「分析」も何も無く、ただ感じたことをありのままに書いているだけなのでお恥ずかしい限りです(苦笑)


仰る通りフロントの影響は大きかったと思いますネ。
クラブの売却などイレギュラーなこともあったシーズンですから難しい部分も多々あったのだと思いますが、来シーズンは全員が同じベクトルで戦えると良いですネ。
[ from Rush : 2011/06/21 19:45 ]
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