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20110621_Hodgson.jpg<< vol.1(*1)から順に読んで頂けると幸いです >>

とにかくチーム作りが進まなかったプレシーズン。
World Cup…監督交代…。新体制は少しでも多くの時間を必要としていました。Al Hilal戦の荒天中止も今思えば痛かったかも知れません(苦笑)

準備不足が否めない中、船を出航させたHodgsonの行く先に待っていたのは永遠に続く暗く冷たい海しかありませんでした。


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■Hodgsonの戦い方

シーズン序盤のHodgsonはBenitez時代からの継承性を考えて4-2-3-1という布陣で選手をピッチ上に並べました。
ただこれは本当に「並べた」という表現が相応しく、実際の戦い方は両者で大きく異なったように感じましたネ。

Benitez時代はハイプレスを仕掛けて高い位置でボールを奪って攻撃に繋げるショートカウンターを狙いとしていました。
それが嵌った時は、1トップのTorresに中盤の選手が絡む状態となり、非常に厚みのある素晴らしい攻撃を見せることが出来ていました。

一方のHodgsonは相手を自陣に引き込んで潰し、そこからオフェンスをスタートするという理論を持っていました。
しかしこれによって、奪った位置からTorresまでの間に距離が開き過ぎてしまい、そのスペースを埋める選手も少なくなってしまうという事象を生んでいましたネ。
チームの重心が低すぎて、ボールを運ぼうにも選手がおらず、ロングボールを蹴ろうにもターゲットがTorres1人という状態。これでは良い攻撃など出来るハズもありませんでした。

相手からすれば攻撃を読みやすかった部分もあるかも知れません。
さらに言えば、Liverpoolの重心を狙ってプレッシャーを掛ければ完全にLiverpoolを沈黙させることが出来る…というような考えが相手チームにはあったのかも知れませんネ。
選手たちはボールを奪ってから前線に運ぶのに苦労し、攻め急いではミスを連発していました。


Hodgsonの守備に関する理論。
これ自体は別に間違っているとは思いません。Benitezのハイプレスは相当の消耗を強いられ、戦い方を間違えれば選手たちが完全停止してしまうリスク がある戦い方とも言えますからネ。Fulhamでもそれで成功を収めていましたし、WBAを残留させることにも成功しました。

「Hodgsonはトップクラスの監督に相応しくない」
そんな言葉が聞かれたこともありましたが、それは違うと思います。
単に4-2-3-1や当時のLiverpoolが抱える選手層がHodgsonの理念に合わなかったと言うことなのでしょう。そしてあの特異な時期にチー ムを引き受けたが故の結末だったように感じます。もっと彼に時間を与えていれば、良いチームを作る可能性は充分にあったと僕は思います。

そして第11節のChelsea戦以降Benitezの4-2-3-1を諦めて(?)4-4-2を使い始めましたが、そこから少し浮上の兆しを見せてくれたように感じましたネ。


話が前後しますが、1つだけ驚いた試合があります。

それは第9節のBlackburn戦(*2)。
Hodgsonは撃沈させられた前節のMerseyside Derbyと全く同じメンバーを起用し、全く異なるプレーを見せてくれました。
前線からハイプレスを仕掛けてボールを奪い、鋭い攻撃に繋げていたのです。
なぜ戦い方を変えたのか…。Hodgsonが自分の理論を捨てたのか、相手がプレッシャーを掛けてこなかったことによる自然発生的なものだったのかは今となっては分かりませんが、Hodgsonらしからぬ試合運びに凄く興奮しましたネ。

このまま波に乗れれば良かったのですが餅は餅屋とは良く言ったもので、慣れないことをしてもなかなかその後も安定した試合運びが出来ず、この時期は試合毎で全く別人のようなプレーをしていましたネ。



■自信

序盤の躓きが響き、Merseyside Derby(第8節)を終えた段階で過去に記憶の無い19位にチームは沈みました。8試合で1勝しか挙げられませんでしたネ。
Hodgsonが試合後のインタビューで応える内容は実際の試合内容と大きく掛け離れたもので、全く読む気がしませんでしたネ(結局大概は読みましたが)。
あれを本心で語っていたとは思いませんが、経験豊富なHodgsonも精神的に物凄く堪えた時期だったのではないかと思います。

そして当然ながら選手たちにとっても、この時期は相当キツかっただろうと思います。
恐らくどちらの方向に向かっていくのが正しいのか、何をすれば自分たちの本来の姿を取り戻せるのかが分からなくなっていたのかも知れませんネ。


チームに安定感が無かったのは、自信喪失の表れだったのかも知れません。
「今日は俺たち上手くいくかなぁ…」と、恐る恐る試合を進めているような印象がありましたし、些細な失敗をしただけで急に全てが暗転するような雰囲気を感じた試合も多くありました。
思うようにいかなかった時や先制点を奪われた時、本来であればそこから盛り返す反発力が必要になりますし、過去のLiverpoolは何度もその反発力を見せて栄光を掴みとって来たクラブです。
ですが昨年の彼らはLiverpoolと名乗るに相応しくないような腰砕け状態に陥っていました。


迷った時、上手く行かなかった時に、細かいことを考えずに拠り所と出来るスタイル。これをやって負けてしまうのなら仕方がないと思えるようなスタイル。
こういう基盤作りが重要だったんだろうと僕は思います。
ただこれは一朝一夕で作り上げられるものでは無く、何年も掛けて作りあげられるもの…。
そういった面であの混乱期を引き継ぎ、そしてオーナーの交代等もあって長期的にチームを任せてもらえなかったHodgsonは可哀想でした。
彼が周囲から充分にサポートを受けられていれば、もう少し違った結果が得られたかもしれないと僕は思います。

それから僕たちサポーターはチームが低迷している時こそ声援を送るべきです。
選手に対するブーイング…Hodgsonを前にしたDalglishチャント…。もちろん彼らはプロですから、批判も甘んじて受け入れる覚悟は出来ているのでしょう。
ですが互いに敬意を払い、支え合ってこそクラブは強くなっていくと僕は思います。



■シーズン中の監督解任

僕はHodgsonの実力を疑ったことはありませんでした。今は上手く行っていないけどいつかはきっと…と思っていましたネ。
まぁ普段から集団目線で真実を見失うことを恐れ、他とは違った視点で物事を見ようと心掛けている性格だったから…というのもありますが。
これを俗に「天の邪鬼」と言うんですけどネ(爆)


Wolves戦後の会見でサポーターに対してぶつけてしまった不満…これで関係は完全悪化してしまい、1シーズンすら全う出来ずに解任される憂き目に遭うことに…。
Hodgsonの実力を疑わなかった僕も、この解任は仕方が無かったと考えています。

この監督がチームを完成させるのはまだまだ先の話だとは思っていましたが、それまでの結果が出ない時期には周囲のサポートが必要。
その状況で最大のサポートを得るべき相手からブーイングを浴びているようではとても持たないと思いましたネ。


オーナーサイドはかなりギリギリまでHodgsonを引っ張ったと思います。
彼ら自身、就任当初からHodgsonの支持を打ち出していた責任もあったのでしょうが、やろうと思えばもっと早い段階でバッサリやれたハズです。Dalglishだってその頃ずっと暇(謝)してたワケですからネ。
その辺り僕はこのオーナーを評価していて、闇雲に人事を弄り倒すオーナーではないのネーと感じました。さすがRed Soxをチャンピオンにしただけあってスポーツ・マネージメントは心得ているのかも知れませんネ。


しかしLiverpool史上初となるシーズン途中での監督解任によって再びイチからのチーム作りを余儀なくされることとなり、チームの完成はその分遅れを取ることになってしまいました。
Hodgsonが完成させるチームとDalglishが完成させるチーム…どちらがより早くより優れたチームを作れるのかは分かりませんけどネ…。



20110621_Dalglish.jpg■Dalglishの評価

クラブにポジティブな雰囲気をもたらし、そしてこの短期間で選手たちに自信を取り戻させた彼の功績は大きいです。
Dalglishでなければ、ここまでの変化は見せられなかったかも知れませんネ。
選手たちからも彼に対して賞賛が送られ、今のチームがとても良い雰囲気にあるんだなということを実感させてくれます。


ですがそれらソフトの部分はそれ単体で成り立つものではなく、これからは個々の技術やチームの戦術といったハードが充分に備わっていなければならないと考えます。
ケアテイカー・マネージャーとしての彼は望み得る最高の仕事をしてくれたと思いますが、これはあくまでもケアテイカーとしての評価に過ぎず、このプレシーズンを挟んだ新シーズンこそ彼の真価が問われる1年になるのではないでしょうか?

正式監督として自分の理念や戦術をより色濃くしたフットボールを目指し、そして選手たちが信じ、勝利に邁進出来る戦術や選手層を明示する必要があります。
これが1シーズンで出来るものとは思いませんが、それを予感させるモノは用意してその先に繋げてもらいたいですネ。


20110621_Meireles.jpgそして彼がチームに思い出させたパス&ムーブ。
SpearingやLucas、そしてMeirelesが目まぐるしくポジションを入れ替え、前線に飛び出して行く姿は痛快そのもの。
元々これが出来るだけの素地はこのチームにあったのだろうと思いますが、それを呼び起こしたDalglishは見事でした。
まだまだ完成度を上げることは出来ると思いますし、チーム全体がもっと効果的に動けるようになってくれればチームはより強くなるでしょう。守りを固めるチームであってもそれを翻弄することが出来るのではないかと期待しています。


もう1つ彼を評価出来るのはFlanaganなどの若手の起用。
もちろんケガ人が続出して若手の起用に踏み切らなければならなかった側面はあるかと思いますが、ケガ人が戻って来ても最後までFlanaganを信頼して 起用し続けたところは素晴らしかったです。これは彼が単なる代役として呼ばれたのではなく、しっかり戦力として評価されたということを意味します。
Flanaganもそれを充分に感じ取っているでしょうし、彼にとっては非常に大きな経験と自信を付けることの出来た7試合だったと思います。

そしてこれは下部組織にいる若者たちにも希望を与えたことでしょう。
トップチームから下部組織に至るまでその全てがクラブが再び強さを取り戻すために一丸となれる雰囲気が作り出せれば最高ですし、それをするためにはやはり下部組織にいる若手をこれからも積極的に登用していくことが大切だと感じます。

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vol.2はここまで。

書くにつれて辛い思いが甦って口の中が苦々しくなって来ますが、次回が最終回となりますので最後までお付き合い頂ければ幸いです。

Dalglishについては本当の勝負はこれからですよネ。
その助走として与えられたこの半年はとてもポジティブな印象を残してくれましたが、全てが順風満帆だったか…というとそうではなかったと思います。

そこで最終回となる次回はここ数年Liverpoolが抱える課題と来シーズンに向けての在り方"的"なことをまとめたいと思います。
ちなみにまだ作成している途中ですので"的"です(苦笑)

いきなり変わる可能性もアリということで…どうもスミマセン(苦笑)



■関連記事 :
(*1) 2010-11シーズンまとめ vol.1
(*2) vs Blackburn
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