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20120916_Hillsborough.jpg1989年4月15日に起こったHillsboroughスタジアムでの大惨事。

必死に2階スタンドによじ登って難から逃れた人。その手や衣服を掴み助け出そうとした人。
フェンスを乗り越え、苦しみから解放された人。
負傷した人を看板に乗せて運ぶ人。
たくさんの人をかき分けるようにピッチを走る救急車に黒い服と帽子を身に付けた警察官。


「とんでもないことが起こった…」
この言葉から先は何も考えられないほどの強い衝撃を当時の僕は受けました。
あの時の何とも表現のしようのない感情…というより感覚を今も忘れることが出来ません。
遠い日本にいる僕でさえあの時の衝撃をいまだ色褪せることなく持っているのですから、実際に被害に遭われた方やそのご家族にとってはこの悲劇によって心が深く抉られたままなのではないかと思います。

あれからイングランド・フットボールは大きく変わりました。
変わりはしましたが、1つだけ変わらなかったことがあります。それはあの悲劇の真実が捻じ曲げられたままだったということでした。

その捻じれが2012年9月12日にようやく正されることとなったのです。

この日を迎えるまで実に23年…あまりに時間が経ち過ぎました。どうしてここまで長く掛かってしまったのか…。
真実が真実であるとされぬままにこの世を去られたご遺族がいることを思えば胸が締め付けられます。
ですが今回この事実がすべて明らかにされ、現首相から公式な謝罪をしたことで、ようやくこの事件の解決に向けた本当の一歩を踏み出せる時が来たのだと感じます。


Cameron首相の声明からは強い思いを感じました。
国 家権力たる警察による事実隠蔽を指摘し、その国家の首相から真摯な謝罪が発せられていました。その言葉には濁りが一切なく、これからこの事件を解決して行 くのだという決意が込められていたように感じることが出来ましたネ。首相の立場をもってして、ここまで明確に事実を語ってくれたことに感謝します。容易い ことでは無かったはずです。


そしてご遺族にとって本当の戦いはこれからとなります。
ただこれまでとは違い、事件は解決に向けて大きく動くこととなるでしょう。ようやく正しい審理を受けることが出来るのです。
それが彼らが受けて来た心の傷を癒し切ってくれることは無いのでしょうし、僕の中からも消えることのない事故であり続けるのでしょうが、96名の犠牲者の無念やLiverpoolサポーターに掛けられた疑いをようやく晴らすことが出来ることを今は喜びたいですネ。



Cameron首相の声明。
==============================

今 日、Liverpool司教であるJames Jones主教はHillsborough独立委員会の報告書を公開しました。1989年4月15日、Hillsboroughフットボールスタジアムで 起こった災害は、前世紀の最高の平時の中における悲劇の1つでありました。LiverpoolとNottingham Forestの間で行われたFA Cup準決勝において96名の方々がLeppings Lane Terraceで押しつぶされた結果、命を落とすこととなってしまいました。当時Taylor裁判官によって公聴会が開かれ、そこであの悲劇の主因が「警 察のコントロールミス」であったことが判明しましたが、調査において全ての文書が利用可能となってからもそれに触れられることはありませんでした。救急 サービスの対応は適切に行われませんでした。後にそれは深い議論を必要とする調査やファンに罪を着せようとするメディア記事を生むことになりました。その 結果、遺族には真実が伝えられず、正義を見つけることが出来なくなってしまったのです。それが前政府その中でも特にLeigh選挙区出身議員が今回の委員 会を立ち上げてくれた理由です。そしてそれが、あらゆる手段を尽くして全ての書類をLiverpool司教やそのチームが利用できるようにすべきだと現政 府が述べて来た理由なのです。


議長は合計45万ページを超える証拠書類を見直しました。まずは遺族がこの報告書を目にするのが正 しかったのです。これまで私には証拠を研究する時間が非常に限られていましたが、調査結果の多くがこの事件が凄惨なものであったことをすでに明示していま した。その中でも特に3つの部分があります。それは当局が観客を保護することを失敗していたということ、ファンに責任をかぶせようとしていたこと、そして 最初の検死に疑念の余地が与えられるということです。私はそれら1つ1つを変えたいと願っています。


当局がどのようなミスをした かについては新たな証拠があります。Hillsboroughにいた観客の安全性の程度を示す新たな文書の束があるのです。そこから引用すると「あらゆる レベルにおいて危うさがあった」ということなのです。スタジアムは最低基準を満たしておらず、欠陥があることは良く知られていました。入場口には不備があ り、収容人数は相当に過剰計算され、防護柵は安全基準を満たさず、前年に行われた試合でも観客が押し潰された事件ありました。そして今日の報告はその教訓 が身に付いていなかったことを極めて明確に示しているのです。報告書はTaylor Reportの主な調査結果を補完するものでしたが、救急車や救急サービスの対応の欠陥の存在が明らかとされていたのはこれが初めてでした。大事故発生時 の対応策は全く実装されておらず、救助活動はリーダーシップと連携の失敗によって抑えられていました。そして重要なのは、人々が圧死させられた時に救急 サービスの遅れがあったことを今日の新たな文書が示しているということです。


2つ目に、当局が事故をファンの責任とする完全に不 正な事故報告書を作ろうとしているということを遺族はずっと信じて来ました。そして議長、遺族の方々は正しかったのです。今日の報告書にある証拠にはメ ディアへの説明や警察によって事故記録がすり替えられようとしていたとする説明が含まれているのです。メディアについては、複数の新聞社がファンが酒に酩 酊していた、暴力を振るった、死者から財布を盗んだという間違った報道をしていました。The Sunの報道はこれらの主張を『The Truth』という大きな見出しをもって扇情的に報じていました。これは明らかに間違いであり、多大なる侮辱、苦悩、苦痛をもたらしました。News Internationalは委員会に協力して来ました。そして初めて、これらの卑しむべき嘘の源はSheffieldの報道機関が報じたSouth Yorkshire警察や当時のSheffield出身国会議員であるIrvine Patnickらとの会話にあったことを今日の報告書は明らかにしているのです。これは警察の努力の一部であったと報告書は認めており、そこから引用する と「酩酊、チケット不所持、暴力の存在を主張することに焦点を当てた記事を作り、公表した」ということなのです。事故記録が改ざんされたことに関しては、 我々はすでに報告書が大幅に改ざんされたものと理解しています。事件の全貌はTaylor裁判官の報告書では描かれていませんでした。今日のレポートでは 当時の164の声明が修正され、116の声明から統率力の欠如した警備についての否定的なコメントを明らかに削除しているという調査結果を示しています。 また検死を行なっているなか、警察と検死官によって取られた特定の行為について重要な調査結果も示しています。警察官が警察国家コンピュータで亡くなった 方々の(犯罪歴などを)チェックしていたことを示していたという新たな証拠も存在します。その部分を直接引用すると「死者の名声を非難する」というもので した。検死官は子供を含む全員の遺体から血中アルコール濃度を検出しており、調査ではそれを「例外的な」決定とみなすことに一切の根拠を見つけられないと しています。報告書では血中アルコール濃度と遅れてスタジアム入りした人々との間の因果関係を作るための検死は根本的に欠陥があり、またアルコール消費量 は特筆すべきものではなく、社会的要因、余暇的要因を考えても異常なものではなかったと明確に述べているのです。


議長、この数年に渡って事実をを明らかにするのに十分であったかどうかという点を含む政府の役割について疑問が挙げられて来ました。
今 日発表された政府資料の中にある言葉のいくつかは無神経なものであったことは確かに事実でしたが、政府が真実を隠そうとしていたことで調査では見つけられ 無かった証拠として、あらゆる文書、内閣議事録を含むあらゆる政府文書も公開されることになります。Taylorレポートの作成時点で、当時の首相は彼女 の個人秘書に説明を受けました。それは自己防衛的なものであり、その部分を報告書より引用すると「人を騙す振る舞いをしたYorkshire警察上層に歩 み寄った」ことは「情けないほどの馴合い」であったということです。そして当時の政府がSouth Yorkshire警察の本部長は辞任することが相当であると考えたことは明らかでした。しかしLeigh選挙区出身議員が数多くの出来事にすぐさま注目 させてくれたようには、当時の政府やそれ以降の政府は単純にファンのせいにしようとした不当で虚偽の話を充分に公表しようとしていませんでした。

3 つ目、そして恐らくこれは全ての中で最も重要な部分ですが、Liverpool司教の報告書は最初の検死の妥当性に新たな疑いが投げ掛けられる新たな証拠 を提示しています。病理学者の証拠に基づくと、検死官は犠牲者は意識不明の状態に繋がる外傷性圧迫を数秒のうちに受け、数分のうちに死に至ったと考えてい ました。結果として彼は、午後3時15分を越えてからは犠牲者の運命を変えることが出来るような行動は何もなく、それに応じて検死の範囲を制限したのだと 主張しました。しかし検死報告書を分析することで委員会は、28名の人々が血液の流れが止まっておらず、31名が圧迫事故後も心臓と肺が動作を続けていた とする証拠があったことに気付きました。これはこのグル―プの個々の人々は午後3時15分以降も可逆性を持った仮死状態であった可能性があるということを 意味し、それは検死官の所見や後の司法審査とは対照的なのです。そして委員会は、午後3時15分以降犠牲者1人1人におよそ何が起こっていたのかというこ とが彼らの死亡を判断する上で重要であったと明確に述べています。


議長、この報告書の結論は被害を受けた家族にとって非常に痛ま しいものとなるでしょう。子供を失った方は苦痛から逃れられないことを理解しているでしょうが、何年か後に報告書を読むことは、報告書から引用すると「迅 速かつより適切で、より焦点を絞り、より適切に装備された対応はより多くの命を救える可能性があった」ことはあの痛みを増すだけに過ぎないのです。最初の 検死を無効にし、新たな検死を行なうことを高等裁判所に申し入れるかどうかを決めるのは法務長官です。この権限において彼は政府とは独立した役割をし、彼 自身の手で検証する必要があります。今日の報告書で重要な証拠として挙げられた、検証されるべき新証拠があることははっきりしています。法務長官はすぐに この新証拠を検証し、出来る限り早く結論を出すことを私に確約しました。しかし最終的にはそれは高等裁判所の決定次第です。下院はこの報告書で完全に提起 された問題を議論する機会を持つべきであることも正しいことです。そして私の議院仲間である内務大臣は政府の執行期間中に議論を進め、下院が10月に再開 された時これは比較的速やかに議論されることになるでしょう。


議長、私はご遺族のためだけでなく、Liverpoolや我が国全 体のためにもこれらの調査結果や、なぜ23年もの年月が掛かったのかについて政府の見解を明確にすることを望みます。議長、あの日何が起こり、その後に起 こったことの何が間違っていたのでしょうか。Hillsboroughが最低限の安全基準を満たしていなかったことを知りながらそれでも試合の開催を認め た管理組織が間違いだったのです。ご遺族があまりにも長い期間待たされ、ただ真実を手にするために非常に困難な戦いして来たことが間違いだったのです。そ して極めて酷く間違っていたのは、警察が事故記録を改ざんし、ファンに責任をかぶせようとしたことです。我々は警察に困難で、時には我々の代わりに非常に 危険な任務を依頼します。そしてSouth Yorkshire警察は当時の組織とは全く異なる組織なのです。ですがもし我々が自分を守ることの出来ない者を庇おうとする場合には、非常に多くの名誉 ある警察官であっても極めて酷い仕打ちを行なうのです。そしてTaylor裁判官も検死官も救急サービスの反応は適切だったと考えていたことも間違いでし た。繰り返しますが、公共サービスを提供する専門の人間がいたのですが、今日の報告書で上げられた証拠には読んでいて非常に辛い部分がありました。


議 長、報告書に上げられた新証拠の重みを思えば、今日私は首相としてこの23年間苦しめられて来た96名の犠牲者のご遺族全員に対し適切な謝罪をしなければ なりません。我々が今日提起した新証拠は、私の目から見ればこのご遺族が受けた二重の不当な扱いは明白なものとなっています。悲惨な出来事に対する不当な 扱いとは、彼らが愛した人たちを守ることに対する国家の失敗、真実を手にするために弁解の余地もなく待ち続けさせられたことの失敗、そして故人に対してそ の死が彼ら自身の罪によるものであったとしようとした不当な扱いでした。ですから我々の政府そして我が国に代わって、私はこの二重の不当な扱いが長い間正 されないままであったことに心から謝罪します。


議長、2つ目の不当な扱いとして私が述べたことが理由で、Merseysideの 方々がどのような道を歩んで来たのかこの国の人々は理解していません。愛する人をたくさん失った恐ろしいまでの死者の数は、犠牲者を非難しようとしたこと で事態を複雑なものとしました。あの日のフーリガニズムについての話は、この国の多くが何とか問題を曖昧にすることを受け入れるように導くために作り上げ られたものでした。今日の報告書は白黒はっきりしています。Liverpoolファンは災害の原因ではありませんでした。委員会は極めて単純に、 Liverpoolファンにはレベルを大きく上回るような酩酊や、チケット不所持、暴力があったとの主張を支持する証拠が無いことを示しました。ファンが 示し合わせてスタジアムへの到着を遅らせたという証拠も無ければ、死者や瀕死の重症者から財布を盗んだという証拠もありませんでした。議長、私は全下院が Liverpool司教や彼の作った委員会が成してくれた仕事の全てに感謝し、Hillsboroughの遺族やそのコミュニティが正義のために戦う彼ら を支えた、信じられないほどの強さと尊厳に敬意を払う私に誰もが賛同してくれることと確信しています。失った方々を取り戻すことは出来ませんが、全ての文 書が明らかにされ、引き留める物は何もなくなったことで、ついに遺族は真実に触れることが出来るのです。私は今回の声明を下院に託します。

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