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20110416_Hillsborough.jpg1989年4月15日。
96名の犠牲者を出した事故から22年が経ちました。

当時はなかなか情報が得られませんでしたが、こうしてインターネットを利用して様々なことが出来るようになってから、僕は毎年メモリアル・サービスを見るとともに当時の事故の映像を見て、あの悲劇を目に焼き付けることにしています。
Heyselの悲劇とともにLiverpoolに関わる人間が忘れてはならない日です。

ここから僕たちは多くの教訓を得ることが出来る。
この2つの日に、僕たちは2度とこのような事故を起こさないよう誓いを立てることが出来るのです。
遺族の方にとっては悲しみでしかないでしょうし、それは僕も同じなのですが、一方で僕にとってはフットボールを見る者として襟を正す日でもあるのです。



そして…。

あの事故以来、廃止の方向に進んだ「立ち見席」が今、復活の動きを見せています。
フットボールサポーターズ連盟(FSF)が復活の署名運動を開始し、イギリスのLiberal Democrats(自由民主党)も「立ち見席の復活」を政策として打ち出しています。
彼らが復活させる立ち見席を「Safe Standing Area」と呼び、わざわざ安全性を謳っているところが切なく響くのは気のせいか…。

「立ち見席の設置で安価なチケット提供を」
「立ち見、着席の選択肢をファンに」
「落ち着いて座って観戦したい人のためにも立ち見席を作って区分を」
情報を入手しきれておらず全てを知っているわけではありませんが、これらが彼らの主張です。



僕はスタジアム観戦に行くと、座ったまま立たない種類の人間です。
たとえ点が入っても、ブーイングを浴びせたくなるような場面があっても。
そういう人間にとって、ことあるごとに後ろを気にせず立ち上がり、視界を遮る客ほど腹立たしいものはありません。

フットボールが与える興奮や感動。
本質的に立たずにはいられないスポーツなのだと思います。
だから席を区分したところで、シートの置かれた席の人間を座らせ続けることは不可能。余程つまらないプレーを見せるか、シートベルト着用を義務付けない限りは…。
Safe Standing Areaの真の目的は「安価なチケットの分配」でしかないか…そう思えてしまう。


フーリガンが問題となっていたあの頃とはサポーターも大きく変わりました。
通路を狭くする必要も無くなったでしょうし、スタンドと観戦席の間を隔てる鉄格子のような柵も必要は無くなりました。
ドイツのスタジアムなどでは立ち見席も多いようで、それも昔見たようなただの「檻」ではありません。
そして何より事故を起こしてはいません。

たしかにあの悲劇を生んだのは立ち見席が原因では無く、運営面の不備にあったのだと僕も思います。



いずれイングランド国内でも立ち見席は復活するでしょう。
22年という時の流れがもたらしたものかも知れません。
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